築山節「脳と気持ちの整理術」(9) 

 「気になっていることリスト」をつくり、問題を「見える化」、言語化すると、思考系が働き、冷静になれると築山先生は指摘します(p.64)。

 「言語化し、書き出すことによって、感情から切り離された情報を紙の上に出現」させる作業を、一枚の紙の中でするのがいいと提唱します(p.65)。

 手順は次の通りです。                                      ①重要度・緊急性が低い問題を消す                               ②「後で解決したいことリスト」を作成する                            ③今すぐ解決できる問題は、解決して消す                           ④特に重要な問題を選び、赤色のペンで囲む                         ⑤人に任せられる問題を選び、青色のペンでしるしをつける

 ④の、「特に重要な問題」を他から明確に区別すると、「他の問題」の大きさが違って見えるといいます(p.69)。

 一つの大きな問題に影響されて、「その他の小さな問題まで過大評価してしまう」のです。不安や焦りを減らすためには「最重要な問題を視覚的に区別する」ことが大切なのです(p.70)。

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築山節「脳と気持ちの整理術」(8)

 ネガティブな思考に陥っている時には、「現状を正確に把握し、感情系だけに刺激を与えている問題に思考系の分析を加えていく」(p.59)とよい、と築山先生はアドバイスします。

 感情的な「問題の過大評価」が過剰なネガティブ思考につながっているのです。問題を一つずつ確認すれば、根拠のない問題の過大評価は避けられるのです。

 問題を確認するとは、「見える化」することです。「思考の整理を脳の中だけで行おうとしない」(p.62)のが大切なのです。

 私も、頭の中でネガティブ思考が渦を巻くことがあります。一部の問題が、自分の生活すべてを覆ってしまいます。

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築山節「脳と気持ちの整理術」(7)

 意欲を高めるためには、まず「誰のために」を考えよう、と築山先生はアドバイスします。「人からの感謝や評価は、意欲を高める上で、もっとも分かりやすいエネルギー源」(p.53)です。

 自分優先、自分本位だと「目標の選択肢が無限に増えてしまい、考えるのがつらくなる」「脳にとって決して楽ではない」のです(p.54)。そのような状態に耐え切れず、「自主性の放棄に向かっていく」のです。

 「誰のために」を考えて行動することは、いわば「誰かに動かされている」ことになり、人間にとって楽で脳の負担が減るし、人からの感謝や評価も得やすいのです(p.55)。

 気持ちが乱れると、つい自分自分と考えてしまいがちですが、考え方を逆にして、そういうときにこそ誰々のためにを考えると、楽になるし、人から感謝されて意欲が高まるのです。

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築山節「脳と気持ちの整理術」(6)

 築山先生は、脳をリフレッシュさせる技術を教えてくれます。同じことを考え続けるときは、「仕事や勉強のやり方、あるいは考える自分の状態を変える」といいそうです(p.40)。

 たとえば、人に意見を求めたり、ずっとパソコンの前で考えているのなら紙に手で書いてみる、そして「場所を移動しながら考える」のも有効です(p.41)。

 集中力を高めるためには、前著「脳が冴える15の習慣」で紹介された「時間の制約」とともに、「必ず結果を出す」ことです(p.43)。出力して残しておくのです。

 前向きな自分をつくるためには「目標を脳にはっきり認識させる」ことが大切です(p.45)。自分で今後の予定を紙に書く、つまり言語化し対象化することによって、行動の目標を繰り返し脳に認識させるのです。

 ちょっとした工夫が脳を効率的に働かせるわけです。

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築山節「脳と気持ちの整理術」(5)

 「作業興奮」の効果を大きくするには、「短時間の集中で済む作業を連続させる」とよいと築山先生は付け加えます(p.33)。

 「少し意識を集中させないとできないような作業で、しかもその一つ一つは短期間で終わる、という作業をいくつか連続させるのが有効」なのです(p.34)。

 児童生徒なら百マス計算、大人なら机の片付けや書類の整理など、「テキパキと行動している状態」が脳にほどよい興奮をもたらし、意欲が次第に出てくるのです。

 意欲を失いやすい人は、簡単な作業をテキパキとこなしている時間帯が少ない、といいます。「短時間の集中で済む作業を連続してこなしている時間帯が生活の中からなくなり、作業興奮がまったく得られないまま、いつも難しい問題に頭を悩ませている状態」にあるのです(p.37)。

 「遠くまで跳ぼうとするかのような仕事ばかりしようとしていると、意欲が起こらなくなってしまう」のです。簡単な作業を連続させる「助走」が必要なのです。短時間の集中を繰り返すと「もっと長い集中にも耐えられるような脳の状態ができる」のです(p.38)。

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築山節「脳と気持ちの整理術」(4)

 「やる気が出ない」とき、自分の意志で脳に刺激を与え、『ほどよい興奮』状態をつくり出すことが理想」と築山先生はアドバイスします(p.31)。「ほどよい興奮」をつくり出すためには体を動かして作業をするのが有効です。

 意欲が下がっているときに単純作業からはじめると、脳の側坐核を刺激して、やる気が起こるのです。精神医学者のエミール・クレペリンはこれを「作業興奮」と名づけています(p.33)。

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築山節「脳と気持ちの整理術」(3)

 「確実にできること」を増やすことが大切だ、と築山先生はいいます。格差の拡大、成果主義の導入など、大きく変化する社会の中で、目の前の大きな課題を「強引な方法で解決をはかろうとして失敗する」ことが多いのです。

 そこで、まずは「できること」を一つずつ増やしていくことが大切です(p.25)。5歩先の目的までのプロセスを分解して、「今の自分にもできそうな一歩目をまず見つける」のです。そして一歩先まで確実に行けるよう努力するのです。

 次は二歩先まで進み、一歩一歩先に進みます。そうしていくうちに「脳内ネットワークが強化」していき、いつしか一足飛びでできるようになるといいます。まずはじめの一歩が大切なのですね。

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築山節「脳と気持ちの整理術」(2)

 築山先生は「できること」が増えると「好き」になると指摘します。たとえば子どもが「できないこと」にいつまでも向き合わされていると、子どもの脳は動かなくなります(p.22)。そこで、「できること」をまずは一つ作ってあげると、「できること」をやろうとして、動くようになるのです。

 自分の力で問題がとけたという成功体験が、脳に快の刺激を与えます。「できること」が増えると、快の感情が大きくなり、またやってやろうという意欲が生まれます。

 快の刺激は「扁桃体」という器官が感じ取るそうです。

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築山節「脳と気持ちの整理術」(1)

 築山節「脳と気持ちの整理術 意欲・実行・解決力を高める」(NHK出版生活人新書、2008年)を読みました。

 築山先生は、社会が大きく変化し、膨大な情報があふれ、厳しい競争社会の中で速く的確な判断を必要とするいま、現代人の思考は混乱しやすく、気持ちの整理ができなくなっている人が増えている、と指摘します(p.4)。

 とくに、向上心が高く、人並み以上に能力のある人が、こういう悪い流れにはまりやすいそうです(p.5)。

 そもそも脳は「やる気を失いやすいもの」で「思考を混乱させやすいもの」なので、脳の機能的な制約を整理し、それを補う使い方を心がけましょう、と築山先生は言います。

 本書には、思考が混乱したり、落ち込んだり、やる気がなくなったときの具体的でシンプルな取り組み方が紹介されています。

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茂木健一郎「脳を活かす勉強法」(10)

 偶有性は子育てにも有効な概念です。子供にとって「セキュアベース=安全基地」は「親」です。「親とは、人生の中で自分ができるかどうか分からない不確実なものにチャレンジする時の基盤を確保してくれる人」であり、「自分を温かく守ってくれるもの」なのです(p.174)。

 ただ、安全基地は「過保護」とは違うと茂木先生はいいます(p.174)。「安全基地の役割とは、子どもがあくまでも自主的に挑戦しようとすることを、後ろからそっと支えてあげること」「見守ってあげること、見てあげることこそが、安全基地のもっとも大切な要素」なのです(p.175)。

 「安全基地を持つことができない子どもは、大人になってからも非常に深刻な問題を起こすことが多い」そうです(p.176)。「セキュアベースがないため、さまざまなことに心おきなくチャレンジすることができな」いので「どうしても引っ込み思案」になってしまい、このため「他者とのコミュニケーションが円滑に進まず、大きなストレスを抱えること」になります。

 親に深く愛された子どもは、他者とうまくコミュニケーションをとることができ、積極的に新しいことにチャレンジできるのです。「人間の発達過程において、セキュアベースは非常に重要」なのです(p.176)。

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茂木健一郎「脳を活かす勉強法」(9)

 「偶有性とは「セキュア(secure)=予想できること」と「チャレンジング=新しいこと」がうまく混ざっている不確実な状態」であり、人生ではこれらの組み合わせ方が大切だと、茂木先生は指摘します(p.168)。

 「セキュアーベース=安全基地が固められてこそ、チャレンジができ」ます。どちらか一方に極端でもダメで、バランスが大切です(p.168)。人生でも企業経営でも、武器となるコア技術、コアスキルを保持していることが必要なのです。

 新しい分野への進出は「不確実性」が高く、不安に思うかもしれませんが、同時に「脳にとって心地よい」ものなのです(p.178)。不確実な状況に置かれると、ドーパミンが放出され、脳が楽しさを感じるのです。脳に不確実性を求める傾向があるから、様々なものに試行錯誤して人類に進化が起きたと茂木先生は語ります。

 不確実性は学習にも応用できるはず、と茂木先生は指摘します。出来ると分かっている問題を解いても脳は喜びません。「自分にできるかどうか分からない、そういう「難しさ」に挑戦して乗り越えたときに初めて、僕たちの脳はかけがえのない喜びを感じるようにできている」(p.179)のです。

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茂木健一郎「脳を活かす勉強法」(8)

 「偶有性」とは、半分は安全で予想できること、半分は予想できないこと、この両方が混ざっている状態のことで、脳は、この予想できることと意外性のあることが混ざっている状態こそ、楽しいと感じる、と茂木先生は指摘します(p.166、167)。

 私はこの「偶有性」という言葉から、野球を連想しました。野球というスポーツの最大の面白さは、誰でも試合展開を組み立てながら観戦できる点にあると思います。また、誰も予想できない意外な結果が出ることも大きな楽しみであります。

 野球こそ、予想できることと予想できない意外性がうまく組み合わさったスポーツであり、このため、誰でも監督になった気分で試合を楽しむことができるのです。

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茂木健一郎「脳を活かす勉強法」(7)

 「変人であることの自由」(p.152)が許容される社会。茂木先生は、アメリカやイギリスをこう評しています。変であること、「自分の好きなことをとことん追及することが許される」社会であるので、自分の「好き」に思う存分突っ走ることができるのです。結果的に、突出した人材が輩出されるわけです。

 一方、日本には「ほかの人と一緒でなくてはいけない」という無言の圧力(p.153)、「平均値に引きずり下ろそう」という圧力(p.154)があります。これは「和を大切にする文化」でもありますが、「グローバルな競争の時に、足かせになる場合もある」と指摘します。

 

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茂木健一郎「脳を活かす勉強法」(6)

 茂木先生は「脳の活動領域は広ければ広いほどよいというものではない」(p.102)と指摘します。

 他者との会話や、簡単な計算、音読などによって、脳の活動領域は広くなります。この状態を「脳が活性化している」といいます。

 「その一方で、考え事をしたり難しい問題を解いている時」「脳の活動領域は小さく」(p.102)なります。「活動領域を絞り込むことで集中力を高めているのではないかと考えられている」そうです。

 脳の活動領域が広い状態と小さい状態をバランスよく組み合わせることが重要なのでしょうか。

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茂木健一郎「脳を活かす勉強法」(5)

 創造的な仕事は朝やることを茂木先生はすすめています。夜はクリエイティブな活動に不向きだそうです。

 夜は日中の「未整理の記憶でいっぱい」(p.89)な状態で、さまざまな情報が蓄積され「純粋な思考が阻まれてしまう」(p.90)そうです。その記憶を整理・蓄積するのが睡眠なのです。

 睡眠のなかでも、脳が活発に動いている「ノンレム睡眠」の間に、記憶が整理され、さらに記憶が定着するそうです(p.89)。

 朝は、眠っている間に記憶が整理されているので、脳がすっきりした状態なのです。「アイデアを出したり文章を書くなど、クリエイティブな仕事に適した」「脳のゴールデンタイム」(p.90)であるといえます。

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茂木健一郎「脳を活かす勉強法」(4)

 思い立ったらすぐ始めて、瞬間的に集中する、細切れ時間を活用することが大切だと茂木先生はアドバイスします。

 たとえ中途半端な時間しかなくても「思いたった時にパッと勉強に入ってしまう」(p.72)、「瞬間的に集中する習慣を身につける」(p.75)ことが大切なのです。

 「脳がその気になった瞬間こそが大きなチャンス」(p.76)であり、「計画を立ててからでないと勉強できない」(p.71)などと、もたもたしていてはいけません。

 まとまった時間の取りにくい社会人にとって「瞬間的に集中する習慣」「細切れ時間活用法」は有効な勉強法だといえそうです。

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茂木健一郎「脳を活かす勉強法」(3)

 負荷のかけ方が大切だと茂木さんは指摘します。まず、簡単に達成できそうもない課題を設定すること、そして、タイムプレッシャー、つまり制限時間を設定することが有効です。

 「この時間までにこれをやる、というプレッシャーを自分にかける」、「自分にプレッシャーをかけてそれを乗り越える、という経験を積み重ねる」(p.51)と、ドーパミンが分泌し、さらに意欲が増すわけです。

 「ただし、他人から強制された時間制限は逆効果」(p.44)と茂木先生は注意します。自分で工夫しながら、課題を制限時間内に乗り越えることで、人間の能力はどんどん上がっていくといいます。

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茂木健一郎「脳を活かす勉強法」(2)

 ドーパミンは、簡単にできることを成し遂げても放出されないそうです。「できるかどうか分からないことに、一生懸命になってぶつかり、そして苦労の末それを達成したときに大量に分泌されます」(p.30)。

 「脳は、負荷をかけて苦しみを与えたあと、それが成功した時に一番喜びを感じるメカニズムを持って」(p.38)いるのです。

 ただ、設定目標が高すぎてもダメなのです。教える側にとっては、負荷のかけ方を工夫する必要があるでしょう。

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茂木健一郎「脳を活かす勉強法」(1)

 茂木健一郎『脳を活かす勉強法 奇跡の「強化学習」PHP研究所、2007年)を読みました。脳の特徴を活用した効果的な学習方法がわかりやすく書かれています。

 人間がある行動をとる、うれしい・たのしい・ほめられる・達成感・知識欲が満たされるなどの快感が得られる、快感が得られた時脳の中に「ドーパミン」と呼ばれる物質が放出される、「ドーパミン」が出るようにその行動を再現し繰り返す、この結果その行動に習熟していきます(p.8~9)。

 とくに、人間の脳は「新しく学ぶことに深い喜びを感じるように設計されている」(p.11)のです。「脳は、学ぶことがうれしくてしかたがない」のです。この脳の特性を学習に活用すれば、人間は「年齢、環境に関係なく成長する」ことができるといいます。

 ただ時間をかけるだけの勉強ではなく、人間の本能、脳の特性を活かした勉強法が求められているのです。

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脳が冴える15の習慣(8)

 自分の話が本当に相手に理解されているかを常に気をかける姿勢が大切だと築山先生は指摘します(p.139)。

 自分の話が伝わらないのは相手が悪いと考える。「そういう悪い頑固さは、前頭葉の力が落ちて、変化に対応するのが辛くなっている」のです。

 相手が悪いと考えるのではなく、「自分の感覚で話すと理解してもらえない相手にどうやって理解してもらうか」考える。なぜ伝わらないのか考えながら話す。理解してもらえるように話し直す習慣を持つことが大切だそうです。

 話が伝わらないのは、お互い立っている場所が違うからかもしれないので、「自分から相手の立っている側に行ってみる」ことを心がけて下さい、とアドバイスされています(p.140)。「相手に、同じ立場で問題を考えてみたことを伝え」ると、相手の姿勢が違ってきます。

 次は、「相手を自分の立っている側に連れてくる番」です。「自分がどういう角度から問題を見ているかを具体的に説明し」、私の立っている側から見るとこうなります、と教えてあげる。そうすれば、話が前に進みます。

 相手の立場に立って考えることは、「脳にゆさぶりをかけ、前頭葉を鍛える有効な訓練」(p.139)なのです。「伝わらないのは相手が悪いは禁句」、です(p.138)。

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脳が冴える15の習慣(7)

 完璧主義で愚痴が多い人は目標設定が高すぎて頑張りすぎます。そうなると大きなミスも発生し、その時の気持ちの落ち込みも大きくなります。

 愚痴が多い人の失敗の原因は、「行動する前に状況をよく確認していない」ことにあるといいます(p.186)。「プロセスを組み立て、実行することばかりに注意を集中しすぎて、物事の前後や周囲の情報に注意が向かなくなっている」と指摘します。「情報を立ち止まって確認しながら物事を進める習慣を身につければ、同じような失敗はなくな」ります。

 また、愚痴が多い人は、自分がミスをしたときに、その愚痴を自分に向けてしまうので、意欲を低下させてしまうそうです。自分の基準や理想が高すぎるので、ちょっとした失敗でも余計に落ち込んでしまうのです。

 このような人は、「人を好意的に評価する」、「時にはダメな自分を見せる」ことがいいそうです(p.188)。「積極的に人を誉めようとしていると、周囲の状況をよく見るようになって」くる、さらに、人からも評価されやすい人になっていくと言います。「自分から相手に評価というボールを投げ」るキャッチボールが始まるからです。

 まさに自分に当てはまることなので、人を好意的に評価するよう心がけてみます。

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脳が冴える15の習慣(6)

 脳を活性化するためには、朝一定の時間に起きることに加えて、「脳のウォーミングアップ」が必要です。足、手、口を動かすことが効果的だといいます(p.24~25)。

 足を使う運動とは、朝の散歩です。足を動かすための機能は、脳の頭頂部に近いところにあります。したがって、歩いているうちに血液が脳の高いところまで汲み上げられ、脳全体に血液が巡りやすくなる、といいます(p.27)。

 手を使う運動とは、まず部屋の片付けです。手の運動だけでなく、前頭葉が司る選択・判断の機能を使うので、脳の準備運動には最適です。

 また「手で物をつくる活動」を朝の習慣にするとよいそうです。料理やガーデニングなどが効果的です。特に「家事は理想的な脳トレ」になります。料理は、材料の選択から始まり、材料の加工・処理方法を選択し、手先を動かし調理します。限られた時間とスペースで数品目効率的に作り上げる手順は、間違いなく前頭葉の機能を高めるといいます(p.68~69)。

 朝早く起きて、散歩して、朝食を準備しておいしくいただく。最高の贅沢が脳のウォーミングアップになり、出勤後の仕事の効率が格段に向上する、いいことばかりですね。

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脳が冴える15の習慣(5)

 思考が整理できていない人、物が整理できていない人は、自分の能力を過信している場合が多い、と築山先生は指摘します(p.91)。

 自分は要領が良くないと自覚している人は、こまめに整理をします。仕事をファイル化し、優先順位をつけています。一方、要領がいいと自分で思っている人は、そんな整理はしなくても、直感力と応用力の高さでカバーできます。整理しない分仕事が速いので、若いうちは優秀に見られるそうです。

 しかし、このようなやり方が通用するのは若いうちだけで、「ある程度立場が上がってくると、必ず個人の限界を超える範囲の問題を見なければならなくなっています。」その時、「整理しなくても全体が見通せていた要領の良い人でも」、「必ず混乱したり、大事な問題を見落とす」ようになるといいます(p.91)。

 若い頃の成功体験が邪魔して、やり方を変えられないと、混乱して時間が足りなくなる。整理する時間を端折ってさらに時間を短縮しようとすると、無駄な時間が多くなってますます混乱する、という悪循環に陥ります。こうならないためにも、日頃から、「一つ一つの仕事に集中しやすい環境を常に自分でつくる。それが身の回りの物の整理を優先させるということなんです。そういう習慣を身につける」ことが大切だとアドバイスされています(p.93)。

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脳が冴える15の習慣(4)

 「思考の整理は物の整理に表れる」といいます。思考の整理ができていない人は、物の整理ができていない人なのです。

 思考の整理ができていない人は、無駄に話が長くなるそうです。話の辻褄はあっているので頭の回転は非常に速いと感じるが、話の要点が見えてこないのです。思いつきが先で、後から理屈をつける。話の道筋は通っているけど、何が言いたいのかがよくわからないのです(p.86~87)。

 思考の整理とは「思考のファイル化」だといいます。たとえば、100個の問題は、A、B、C、D、Eの5種類に分類でき、Aの中にはa、b、c、d、eという問題があるというように整理されています。A案件のa問題にはa1、a2、a3、a4の要素があるというように、100個の問題のすべてを整理できているのです(p.89)。

 「思考のファイル化」ができているかどうかは、身の回りの物の整理に端的に表れる、と築山先生は指摘します。案件ごとに資料が整理され、どこに何があるかがすぐわかります。

 「ファイル化」の次に重要なのは「優先順位」だそうです。仕事の優先順位がわかっている人は、最重要案件の資料が一番目立つ所に置いてあるといいます。仕事の重要度の判断が物の整理に表れます(p.90)。

 私の机の上は、綺麗に見えても、資料は整理されないままごちゃ混ぜに収納されているだけです。話も、様々な話題に派生してしまう傾向があります。思考を変えるにはまず行動を変えるということで、仕事の資料のファイル化に取り組んでみます。

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脳が冴える15の習慣(3)

 築山先生は、前頭葉の力を高めることが大切だと指摘します。前頭葉は、様々な情報を処理し、思考や行動を組み立てる脳の司令塔のような役割を果たしています(p.60)。

 前頭葉の力が高い人は、たとえ知識や経験が少なくても、それをうまく組み合わせて、行動に移すことのできる人です。前頭葉の力が低い人は、知識や経験が豊富でも、合理的な組み立てを考え出し、行動することが苦手な人です(p.61)

 前頭葉の力を高めるとは、言葉を換えると「指令を出し続ける体力を高める」ことです。速く的確な判断と対応が考えられても、たまにしかその能力を発揮できないのでは役に立たないといいます。

 前頭葉が指令を出し続けられなくなったとき、感情系の要求が人間を動かすそうです。「面倒なことはしたくない、楽をしたい、人任せにしたという、脳のより原始的な欲求に従って動いてしまう。」「自分を律して主体的に行動」できずに「感情系の要求に従ってダラダラ過ごす時間の長い人」になってしまうのです(p.62)。

 脳の指令を出し続ける体力は「日常的な雑用を面倒くさがらずに片付けることで鍛えられる」といいます。「面倒くさいことや辛いことに対する耐性」=「脳のタフさ」がつくのです。面倒くさい雑用に毎日継続して取り組む人は、「前頭葉を鍛えられ、意志的・主体的に行動する力の高い人」になります(p.64)。

 脳の体力が落ちていて、何をするにも面倒くさいという状態になっている人は、「小さなことでも、身のまわりの雑用を片付けることから始め下さい」とアドバイスされています。「毎日自分を小さく律することが、大きな困難にも負けない耐性を育て」ます(p.65)。

 部屋の片付けとか、自分の身近にある、少し面倒くさいと感じる問題を毎日少しずつ解決するよう心がけるとよいといいます。小さな雑用を毎日積極的に片付けていると、イライラも抑えやすくなるそうです(p.66)。

 私にも思い当たることが多くあります。部屋は汚いのはもちろん、食後の食器洗い、夏服と冬服の交換、お金の振込み、礼状、提出期限の過ぎた重要度の低い書類、借りたものを返さない、海外で大量に撮影した写真の整理、冷蔵庫に眠った賞味期限切れ後数ヶ月も経った食材、DVDレコーダーに溜まりすぎた番組、など面倒くさいのでほったらかしにしている雑用が山積みになっています。マニュアルを見ながら電化製品の設定や接続をすることも苦痛です。とにかく面倒くさいのです。

 逆に、私は大きな理想を考えるのが好きです。仕事や生活に何か不具合が生じると、根本にある大問題に責任を転嫁しがちです。このような「思考の癖」のようなものがあります。「ぶち切れ」も多発します。どうやら私は、指令を出し続ける前頭葉の体力が落ちて、感情系に言動が左右されているようです。まず部屋の片付けから始めてみます。

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脳が冴える15の習慣(2)

 脳の働きを高めるためには「脳の基本回転数を上げる」ことが大切だと指摘します。

 「脳の基本回転数」とは、速く的確な判断、記憶を素早く思考に結びつけ臨機応変な対応を行う「頭の回転の速さ」です(p.34)。

 基本回転数を上げるためには、「時間の制約」が必要だといいます(p.35)。限られた時間内でこれだけの仕事をこなさなければならない、という状況がいるのです。時間をかけて多くの仕事をしても回転数は上がらないそうです。「時間の制約」は「試験を受けている状態」だといえます。

 「脳の基本回転数」は一度上げると、その状態がしばらく続きます(p.36)。この状態を利用して、一日に何度か基本回転数を上げて仕事に取り組むと、効率よく片付きます。時間をかければいい仕事ができる、というわけではないのです。

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脳が冴える15の習慣(1)

 築山節『脳が冴える15の習慣 記憶・集中・思考力を高める』(生活人新書)を読みました。

 築山先生は、脳を活性化させる最も大切な習慣は、「生活のリズム」だと指摘されています。朝、一定の時間に起きて、夜はできるだけ早く寝る。そうやって生活のリズムを安定させると、脳の活動が安定するそうです(p.18)。

 生活のリズムを保つためには、会社なり学校なり、自分以外の誰かに動かされている環境を持つ必要があります。「何も強制されていない環境に置かれると、人間はいつの間にか、脳のより原始的な機能である感情系の要求に従って動くようになってしまいます。」その結果、生活のリズムを失い、面倒を避け、感情系の快ばかり求め、楽をしたがるようになるといいます(p.23)。

 「生活の原点をつくる」。単純そうですが、現代に生きる私たちにとって難しくなっている習慣ではないでしょうか。

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