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私の好きな名言(9)

 「食は身分相応、服は分不相応」。滝川義人『ユダヤの格言99 人生に成功する珠玉の知恵(2005年、講談社+α新書)にある言葉です。

 あわせて、「少し食べて良き服を着よ」、「服は己の欠点を隠す」という言葉も紹介されています。服やネクタイ、靴が綺麗であれば、受ける印象もよくなります。どんな境遇にあっても、服だけは立派なものを身に着けていて損はない、と私は解釈しました。

 食は身分相応という言葉も重要です。豪華な食事にまわす金があるのなら、衣服に使ったほうが身を助けるのです。最近の流行に即して考えると、贅沢な食事は栄養がありすぎるので質素であるべきだ、という教えとも受け取れます。

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宮本哲也「強育論」(1)

 宮本哲也先生の著書『強育論(2004年、ディスカバリー)紹介します。2006年12月10日放送の「情熱大陸」(毎日放送)で偶然、宮本先生の教室を拝見しました。とても興味深い内容でしたので、早速、算数パズルと書籍を取り寄せました。

 宮本先生のパズルにはハマりました。こんなおもしろい教材はありません。条件を慎重に整理し、試行錯誤する楽しさを存分に味わうことができます。最後にバタバタと解けて完成にたどり着く瞬間が、なんともいえない快感です。

 パズルを職場の同僚に紹介したところ、アンテナの鋭い何人かの先輩が興味を持たれました。なかでも、算数の好きで職場のマスコット的存在である「おじいちゃん」は強い興味を示してくれました。次々とクリアーして、ついに最難関の青い問題集も制覇してしまいました。

 さて、「強育論」は、宮本先生の考え方がつまった読み応えのある本です。有名私立中学に大量の合格者を輩出する秘訣、という狭い話ではなく、「子どもに生きる術(すべ)を身につけさせる」方法、子どもの自立を促す教育が語られています。

 学習したいという人間の本能を生かした教育。集中力、緊張感、堪え性を養う教育。考え続ける場を与える教育など、すべての教育者にとって大切な要素がつまっています。

 人間の本質や自然界の法則から事例を引き、わかりやすく子どもの育て方が解説されています。有名中学受験塾のノウハウに収まらない壮大な教育論が展開されています。小学生の子どもを持つ親御さんや、教える立場にあるすべての人に本書を薦めます。

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堀江貴文「稼ぐが勝ち」(4)

 「とりあえず一つ売れ」と堀江さんは勧めます。売れないと思っていたけど売れた、ものを売って具体的にお金を手にした経験、この「成功体験」が大切だといいます(P.108)。

 それぞれの立場での成功ではなく、「お金を得る体験」が必要です。お金が自分の手元に入ってくる、その感覚が成功体験になるといいます(P.109)。

 一度売れると次が楽になるし、うれしいし、自信につながります。フリーマーケットでもインターネットのオークションでもいいし、「とりあえず一つものを売ってください」とアドバイスされています。

 面倒くさいという壁を乗り越えて、とにかく一つ売る体験をしてみます。とりあえず、オークションで何か売ろうと思います。

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「読み・書き・計算が子どもの脳を育てる」(7)

 「九歳半の節」という言葉が紹介されています。発達心理学では、「九歳から十歳にかけてが発達の節目、大きな質的転換期」だそうです(p.85)。

 学校の先生によれば、「四年生くらいまでの子どもたちはしつけも比較的しやすいし、読み・書き・計算をよろこんでやり、それを習慣化することもできるけれど、それ以降に取り組んでも効果が表れにくい」そうです(p.85)。

 実は「九歳半」ころに、脳の内部で大きな変化が表れるそうです。子どもの脳から大人の脳に変化するのです。

 脳がはたらくときは血液の流れを速くして、たくさんのエネルギーを取りこもうとします。子どもの脳は、血液の流れを速くするだけでなく、血液中の酸素を取りこむ割合も高めているそうです。大人の脳はその割合が一定です。「子どもの脳はひじょうに効率のよいシステムをとっている」のです(p.86)。

 このことから、低学年では、学校でしっかり読み書き計算に取り組んだほうがいいのです。それでは、「九歳半の節」を超えて大人型になった子は、いくらがんばって学習してもだめなのでしょうか。

 この疑問に対して川島先生は、脳はずっと成長し続けるので、「何歳になってからでも、学習するに遅いということはない」とおっしゃっています(P.146)。神経線維の数は年を重ねるごとに増えて、太くなってくるからだそうです。

 「脳は、一生成長し続けるのです。学習の効果は何歳になってもあります」。我々大人にとっても励みになる言葉です。

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「読み・書き・計算が子どもの脳を育てる」(6)

 学習のモチベーションを高める方法として、次の4点を提案されています(P.93~)。

 まず、アメとムチの使い分けです。不快な刺激と心地よい刺激を場面に応じて使い分けて、どちらが子どもの集中力の高めているかを観察するることが大切です。

 次に、毎日続けるために、何らかの変化をつけて、新しい刺激を与えることが大切です。目先を変えて、次の課題に進ませるのです。

 そして、自分の取り組んでいることの意味を納得させるのも必要です。「子どもたちは、説明が論理的で、自らが納得できれば、素直に理解を示してくれ、『自分の脳を自分で育てているんだ』というイメージがもて」、モチベーションがあがるといいます。 

 最後に、「競争」がモチベーションを高める一つの方法です。競争は脳の本能的な部分を刺激するそうです。

 やはり、子どもたちのモチベーションを高めるためには、大人たちの工夫が大切だということがわかります。

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「読み・書き・計算が子どもの脳を育てる」(5)

 川島先生は、学校で読み書き計算学習を行ううえでのヒントを与えています。

①授業のはじめに読み・書き・計算を

②くり返し学習するしかない

③「正確さ」と「速さ」で評価

 ①は、読み書き計算によって脳の血のめぐりがよくなった状態で授業にのぞむと効果があがるわけです。

 ②は、くり返し学習することで、脳の神経細胞を結びつける神経線維が太くなり、記憶が強くなるそうです。

 ③は、「遅く正確に」より「速く正確に」のほうが習熟度が高いといえます。遅い場合は、「神経線維がまだ細い、もしくは、まだまわり道をしながら情報を伝えている状態」なのです(P.91)。「速く正確に」がスキルとして使いこなしている状態であるといえます。

 ①③は、築山節「脳が冴える15の習慣」でも指摘されています。一定の時間の制約のなかで脳の基本回転数を上げると、脳がより活性化した状態で仕事や勉強に取り組めるのです。

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「読み・書き・計算が子どもの脳を育てる」(4)

 読み書き計算には、二つの重要な意味があると川島先生は指摘します(p.76)。

①読み・書き・計算のスキルを道具として使えるようになる   

②読み・書き・計算の学習をとおして、前頭前野をきたえ、人としての判断がしっかりできるようになる

 ①は人間が生きるうえで必要な力であることは明らかですが、実は、読み書き計算は脳の前頭前野を鍛えているのです。前頭前野は、「判断力、思考力、自制心、創造性などを司っている」ので、読み書き計算によって、考える力、生きる力、人としての判断ができる力をつけることができます(p.83)。

 「ここ十数年、学校教育のなかでは、ある意味で読み・書き・計算のような学習が避けられてきました。『押しつけになる』『つめこみだ』といわれ、それよりも『考える力をつけること』『生きる力を育てること』が強調されました。

 しかし、読み・書き・計算の学習が基本的なスキルを身につけさせることだけでなく、じつは子どもたちの考える力や生きる力を司る前頭前野を育てることになっていた」と川島先生はおしゃています(p.84)。

 子どもたちを健全に育てるには、まず読み書き計算をさせることが大切なのです。

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「読み・書き・計算が子どもの脳を育てる」(3)

 川島先生は「音読ほど脳が活性化している状態をみたことがありません」(p.60)とおっしゃっています。

 英語、日本語を黙読した場合と音読した場合の脳の血流を比較すると、黙読もかなり血液の量は多いものの、音読のほうが活性化されているエリアが広くなっています(p.59、p.61)。

  「音読は、目で見たものを口から出し、さらに出した音を自分の耳で聞く」作業です。目から情報を入力する「文字的言語」と、耳から入力し口から出力する「音声的言語」という両方の言語処理システムを同時に使用しているので、脳が活性化すると考えられます(p.74~75)。したがって、黙読よりも音読のほうが脳が活性化するのです。

 川島先生は「脳は複数のシステムを使うのをよろこぶ」と表現されています。音読は人間にとって楽しい作業なのかもしれません。

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「読み・書き・計算が子どもの脳を育てる」(2)

 川島先生の研究によれば、「難しいことを考えているよりも、単純な計算や音読をしているときのほうが、はるかに活発に脳がはたらいている」(p.34)そうです。

 難しいことを考えている時と、ひと桁のたし算をしている時を比較すると、明らかに単純計算のほうが活発に働いています(p.35)。

 単純な計算と複雑な計算を比較すると、単純な計算をしている時は右脳左脳ともはたらいていますが、複雑な計算をしている時は左脳のみがはたらき、右脳は使っていません(p.62~65)。さらに複雑計算時と文章題を解いている時は、使っている脳の場所はいっしょです(p.64~65)。つまり、複雑計算や文章題よりも、単純計算が脳をたくさん使っているのです。

 また、驚くべきことに、一から十までの数を、声を出さずに数えた時、単純計算よりもさらに脳が活性化しています(p.60~63)。

 ①数をかぞえる②一桁の計算、のほうが、③複雑な計算④文章題よりも脳をたくさん使っているという意外な事実が明らかとなりました。

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「読み・書き・計算が子どもの脳を育てる」(1)

 東北大学教授・川島隆太さんの著書『読み・書き・計算が子どもの脳を育てる』(祥伝社黄金文庫)を読みました。

 川島先生は、脳の血流を計測し、各部位の働きを研究されています。血流の多い部位は活発に働いています。それをビジュアル化して我々に提示されています。

 川島先生の研究によれば、人間の様々な活動のなかで、読み書き計算をしている時が、最も脳が活性化しているといいます。

 特に脳で最も重要な役割を果たしている前頭葉の前頭前野が活発に働くそうです。前頭前野には、「考える力、創造する力、がまんをする力、他者と上手にかかわる力など、子どもたちの生きる力の源が宿ってい」(p.4)るといいます。

 読み書き計算が、スキルを習得するだけでなく、子どもたちの「生きる力」の源が宿る前頭前野を鍛えていることが明らかになりました。

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堀江貴文『稼ぐが勝ち』(3)

 「創業時の仲間は最終的に仲間割れする」という法則があるといいます(p.114)。「創業メンバーというのは必ずバラバラになり、結局は社長だけが会社に残る」ことになります。

 創業メンバーがバラバラになる原因は、能力の差が顕在化するからだと指摘します。小さな会社の場合、多くの外交的な仕事は社長がやる。そうすると社長はいろんな人たちから、新しいことをどんどん学んでくる。一方社内マネジメントを行う他のメンバーは外に出ていかないので成長しない、従って決定的な差が開いてしまうのです(p.114~115)。

 「また、後から入社してきた人が役員になったり、自分が役員から降格させられたりすると、創業メンバーとしてのプライドが許さないということで会社を去っていくパターンもあります」(p.116)。

 私も身近なところで、同じような出来事を目撃した経験があります。人望もあり、能力も高いリーダーの周りにたくさんの部下が集まり始める。能力が低いのにプライドが高い創業者がそれに嫉妬し、リーダーを排除しようとするが失敗。当該部署だけでなく組織全体を破壊したのちに立ち去る。

 堀江さんの言葉が身にしみますが、「リーダーは必ず一人でなければならない」という法則からすれば、私の経験は運命だったのかもしれません。

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喫茶店での分煙を望む

 喫茶店での分煙が進んで欲しいと願っています。私はコーヒーが好きなので、よく喫茶店に行きます。おいしいコーヒーを飲みながら新聞を読む、そんな楽しいひと時を苦痛のどん底に突き落とすもの、それがタバコの煙です。

 タバコの煙が嫌いなら、禁煙の喫茶店に行けばよいという人もいるかもしれません。しかし私の家から4駅離れた禁煙喫茶店にお金と時間をかけて行く気になるでしょうか。

 愛煙家がタバコを吸うのは決して悪いことではありません。ただ、タバコの煙が人に迷惑をかけないよう、喫煙席と禁煙席を設けるなど、店側が配慮して欲しいのです。

 大手外食産業は分煙を進めています。広いスペースを活用し、愛煙家と嫌煙家の両方の客を取り込むには不可欠な試みなのです。

 しかし、設備が古く敷地も狭い、個人経営の喫茶店では、仕切りをつけて禁煙スペースを設けることは難しいのです。私と同じ苦しみを味わっているコーヒー好きの客はかなりいるのではないでしょうか。

 そこで、喫煙席を設け、煙を吸い込む設備を導入することを提案します。焼肉屋にあるような大げさなものではなく、ごく簡単な煙吸い込み装置をつけてほしいのです。

 設備投資の難しい個人経営の喫茶店では、資金を投入するのが難しいとは思いますが、このようなお客に対する細やかな心配りが、店の繁盛につながるちょっとした工夫ではないでしょうか。

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脳が冴える15の習慣(8)

 自分の話が本当に相手に理解されているかを常に気をかける姿勢が大切だと築山先生は指摘します(p.139)。

 自分の話が伝わらないのは相手が悪いと考える。「そういう悪い頑固さは、前頭葉の力が落ちて、変化に対応するのが辛くなっている」のです。

 相手が悪いと考えるのではなく、「自分の感覚で話すと理解してもらえない相手にどうやって理解してもらうか」考える。なぜ伝わらないのか考えながら話す。理解してもらえるように話し直す習慣を持つことが大切だそうです。

 話が伝わらないのは、お互い立っている場所が違うからかもしれないので、「自分から相手の立っている側に行ってみる」ことを心がけて下さい、とアドバイスされています(p.140)。「相手に、同じ立場で問題を考えてみたことを伝え」ると、相手の姿勢が違ってきます。

 次は、「相手を自分の立っている側に連れてくる番」です。「自分がどういう角度から問題を見ているかを具体的に説明し」、私の立っている側から見るとこうなります、と教えてあげる。そうすれば、話が前に進みます。

 相手の立場に立って考えることは、「脳にゆさぶりをかけ、前頭葉を鍛える有効な訓練」(p.139)なのです。「伝わらないのは相手が悪いは禁句」、です(p.138)。

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脳が冴える15の習慣(7)

 完璧主義で愚痴が多い人は目標設定が高すぎて頑張りすぎます。そうなると大きなミスも発生し、その時の気持ちの落ち込みも大きくなります。

 愚痴が多い人の失敗の原因は、「行動する前に状況をよく確認していない」ことにあるといいます(p.186)。「プロセスを組み立て、実行することばかりに注意を集中しすぎて、物事の前後や周囲の情報に注意が向かなくなっている」と指摘します。「情報を立ち止まって確認しながら物事を進める習慣を身につければ、同じような失敗はなくな」ります。

 また、愚痴が多い人は、自分がミスをしたときに、その愚痴を自分に向けてしまうので、意欲を低下させてしまうそうです。自分の基準や理想が高すぎるので、ちょっとした失敗でも余計に落ち込んでしまうのです。

 このような人は、「人を好意的に評価する」、「時にはダメな自分を見せる」ことがいいそうです(p.188)。「積極的に人を誉めようとしていると、周囲の状況をよく見るようになって」くる、さらに、人からも評価されやすい人になっていくと言います。「自分から相手に評価というボールを投げ」るキャッチボールが始まるからです。

 まさに自分に当てはまることなので、人を好意的に評価するよう心がけてみます。

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脳が冴える15の習慣(6)

 脳を活性化するためには、朝一定の時間に起きることに加えて、「脳のウォーミングアップ」が必要です。足、手、口を動かすことが効果的だといいます(p.24~25)。

 足を使う運動とは、朝の散歩です。足を動かすための機能は、脳の頭頂部に近いところにあります。したがって、歩いているうちに血液が脳の高いところまで汲み上げられ、脳全体に血液が巡りやすくなる、といいます(p.27)。

 手を使う運動とは、まず部屋の片付けです。手の運動だけでなく、前頭葉が司る選択・判断の機能を使うので、脳の準備運動には最適です。

 また「手で物をつくる活動」を朝の習慣にするとよいそうです。料理やガーデニングなどが効果的です。特に「家事は理想的な脳トレ」になります。料理は、材料の選択から始まり、材料の加工・処理方法を選択し、手先を動かし調理します。限られた時間とスペースで数品目効率的に作り上げる手順は、間違いなく前頭葉の機能を高めるといいます(p.68~69)。

 朝早く起きて、散歩して、朝食を準備しておいしくいただく。最高の贅沢が脳のウォーミングアップになり、出勤後の仕事の効率が格段に向上する、いいことばかりですね。

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脳が冴える15の習慣(5)

 思考が整理できていない人、物が整理できていない人は、自分の能力を過信している場合が多い、と築山先生は指摘します(p.91)。

 自分は要領が良くないと自覚している人は、こまめに整理をします。仕事をファイル化し、優先順位をつけています。一方、要領がいいと自分で思っている人は、そんな整理はしなくても、直感力と応用力の高さでカバーできます。整理しない分仕事が速いので、若いうちは優秀に見られるそうです。

 しかし、このようなやり方が通用するのは若いうちだけで、「ある程度立場が上がってくると、必ず個人の限界を超える範囲の問題を見なければならなくなっています。」その時、「整理しなくても全体が見通せていた要領の良い人でも」、「必ず混乱したり、大事な問題を見落とす」ようになるといいます(p.91)。

 若い頃の成功体験が邪魔して、やり方を変えられないと、混乱して時間が足りなくなる。整理する時間を端折ってさらに時間を短縮しようとすると、無駄な時間が多くなってますます混乱する、という悪循環に陥ります。こうならないためにも、日頃から、「一つ一つの仕事に集中しやすい環境を常に自分でつくる。それが身の回りの物の整理を優先させるということなんです。そういう習慣を身につける」ことが大切だとアドバイスされています(p.93)。

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脳が冴える15の習慣(4)

 「思考の整理は物の整理に表れる」といいます。思考の整理ができていない人は、物の整理ができていない人なのです。

 思考の整理ができていない人は、無駄に話が長くなるそうです。話の辻褄はあっているので頭の回転は非常に速いと感じるが、話の要点が見えてこないのです。思いつきが先で、後から理屈をつける。話の道筋は通っているけど、何が言いたいのかがよくわからないのです(p.86~87)。

 思考の整理とは「思考のファイル化」だといいます。たとえば、100個の問題は、A、B、C、D、Eの5種類に分類でき、Aの中にはa、b、c、d、eという問題があるというように整理されています。A案件のa問題にはa1、a2、a3、a4の要素があるというように、100個の問題のすべてを整理できているのです(p.89)。

 「思考のファイル化」ができているかどうかは、身の回りの物の整理に端的に表れる、と築山先生は指摘します。案件ごとに資料が整理され、どこに何があるかがすぐわかります。

 「ファイル化」の次に重要なのは「優先順位」だそうです。仕事の優先順位がわかっている人は、最重要案件の資料が一番目立つ所に置いてあるといいます。仕事の重要度の判断が物の整理に表れます(p.90)。

 私の机の上は、綺麗に見えても、資料は整理されないままごちゃ混ぜに収納されているだけです。話も、様々な話題に派生してしまう傾向があります。思考を変えるにはまず行動を変えるということで、仕事の資料のファイル化に取り組んでみます。

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脳が冴える15の習慣(3)

 築山先生は、前頭葉の力を高めることが大切だと指摘します。前頭葉は、様々な情報を処理し、思考や行動を組み立てる脳の司令塔のような役割を果たしています(p.60)。

 前頭葉の力が高い人は、たとえ知識や経験が少なくても、それをうまく組み合わせて、行動に移すことのできる人です。前頭葉の力が低い人は、知識や経験が豊富でも、合理的な組み立てを考え出し、行動することが苦手な人です(p.61)

 前頭葉の力を高めるとは、言葉を換えると「指令を出し続ける体力を高める」ことです。速く的確な判断と対応が考えられても、たまにしかその能力を発揮できないのでは役に立たないといいます。

 前頭葉が指令を出し続けられなくなったとき、感情系の要求が人間を動かすそうです。「面倒なことはしたくない、楽をしたい、人任せにしたという、脳のより原始的な欲求に従って動いてしまう。」「自分を律して主体的に行動」できずに「感情系の要求に従ってダラダラ過ごす時間の長い人」になってしまうのです(p.62)。

 脳の指令を出し続ける体力は「日常的な雑用を面倒くさがらずに片付けることで鍛えられる」といいます。「面倒くさいことや辛いことに対する耐性」=「脳のタフさ」がつくのです。面倒くさい雑用に毎日継続して取り組む人は、「前頭葉を鍛えられ、意志的・主体的に行動する力の高い人」になります(p.64)。

 脳の体力が落ちていて、何をするにも面倒くさいという状態になっている人は、「小さなことでも、身のまわりの雑用を片付けることから始め下さい」とアドバイスされています。「毎日自分を小さく律することが、大きな困難にも負けない耐性を育て」ます(p.65)。

 部屋の片付けとか、自分の身近にある、少し面倒くさいと感じる問題を毎日少しずつ解決するよう心がけるとよいといいます。小さな雑用を毎日積極的に片付けていると、イライラも抑えやすくなるそうです(p.66)。

 私にも思い当たることが多くあります。部屋は汚いのはもちろん、食後の食器洗い、夏服と冬服の交換、お金の振込み、礼状、提出期限の過ぎた重要度の低い書類、借りたものを返さない、海外で大量に撮影した写真の整理、冷蔵庫に眠った賞味期限切れ後数ヶ月も経った食材、DVDレコーダーに溜まりすぎた番組、など面倒くさいのでほったらかしにしている雑用が山積みになっています。マニュアルを見ながら電化製品の設定や接続をすることも苦痛です。とにかく面倒くさいのです。

 逆に、私は大きな理想を考えるのが好きです。仕事や生活に何か不具合が生じると、根本にある大問題に責任を転嫁しがちです。このような「思考の癖」のようなものがあります。「ぶち切れ」も多発します。どうやら私は、指令を出し続ける前頭葉の体力が落ちて、感情系に言動が左右されているようです。まず部屋の片付けから始めてみます。

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脳が冴える15の習慣(2)

 脳の働きを高めるためには「脳の基本回転数を上げる」ことが大切だと指摘します。

 「脳の基本回転数」とは、速く的確な判断、記憶を素早く思考に結びつけ臨機応変な対応を行う「頭の回転の速さ」です(p.34)。

 基本回転数を上げるためには、「時間の制約」が必要だといいます(p.35)。限られた時間内でこれだけの仕事をこなさなければならない、という状況がいるのです。時間をかけて多くの仕事をしても回転数は上がらないそうです。「時間の制約」は「試験を受けている状態」だといえます。

 「脳の基本回転数」は一度上げると、その状態がしばらく続きます(p.36)。この状態を利用して、一日に何度か基本回転数を上げて仕事に取り組むと、効率よく片付きます。時間をかければいい仕事ができる、というわけではないのです。

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脳が冴える15の習慣(1)

 築山節『脳が冴える15の習慣 記憶・集中・思考力を高める』(生活人新書)を読みました。

 築山先生は、脳を活性化させる最も大切な習慣は、「生活のリズム」だと指摘されています。朝、一定の時間に起きて、夜はできるだけ早く寝る。そうやって生活のリズムを安定させると、脳の活動が安定するそうです(p.18)。

 生活のリズムを保つためには、会社なり学校なり、自分以外の誰かに動かされている環境を持つ必要があります。「何も強制されていない環境に置かれると、人間はいつの間にか、脳のより原始的な機能である感情系の要求に従って動くようになってしまいます。」その結果、生活のリズムを失い、面倒を避け、感情系の快ばかり求め、楽をしたがるようになるといいます(p.23)。

 「生活の原点をつくる」。単純そうですが、現代に生きる私たちにとって難しくなっている習慣ではないでしょうか。

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「学力低下を克服する本」(3)

 1970年代末から中学校が荒れた原因は、1971年の学習指導要領の改訂にあったと小河先生は指摘しています。

 71年改定の要点は、学習項目の多様化と、これまで高学年で学んでいた事項を低学年におろしたところにありました(p.93)。中学・高校から新しい学習項目がふりわけられた結果、猛スピードで授業を進めざるを得なくなってしまったのです。

 落ちこぼれが大量発生し、校内暴力が頻発、社会問題となりました。この改定に対しては「詰め込み教育」だと批判が強まりました。文部省は、「道徳教育の重視」と「理解を重視した学習」「社会とかかわる学習」=「総合学習」などを導入し、「生きる力」をはぐくむことよってこの問題に対応しようとしました。90年代に入るとこの動きは「ゆとり教育」として加速していきました(p.94)。

 「詰め込み教育」から「ゆとり教育」へ大きく方向転換したのです。学校週5日制、学習内容と授業時間は大幅カット、「生きる力」をはぐぐむ「総合学習」が導入されました。小河先生も80年代はじめから、子どもたちの荒れを収めるため、積極的に地域の総合学習的活動に参加されたそうですが、効果はなかったそうです。

 なぜなら、授業内容を理解できない生徒の不満が自己否定や他者攻撃につながっていたからです(p.95)。小河先生は、総合学習も道徳教育も、基礎的学力があってはじめて意味がある、と指摘しています。

 共著者の陰山英男先生も、「子どもたちが読み書き計算の反復練習によって基礎が固まっていればこそ」、総合学習は有効だと語っています(p.270)。基礎学力という土台の上に「生きる力」を養う教育が成り立つのです。

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「学力低下を克服する本」(2)

 小河先生は、中学生の基礎学力向上をはかり、生徒の落ち着きを取り戻すため、次のような取り組みを実践しました(p.93)。

 ①現在の中学生の九割が何らかのつまずきを持っている。

 ②そのつまずきの主な原因は、小学校時代の読み書き計算の習熟不足による。

 ③したがって、そのつまずきを克服するためには、中学の学習と平行させながら、全員で、百ます計算、漢字練習、読書などの取り組みをする。

 ④一方で、つまずきチェックテストによって、その子ごとのつまずきの実態を把握し、つまずきに応じた指導をする。   

 このうち計算についてはA:百ます計算で、足し算、引き算、かけ算ともに二分以内、B:あまりなし割り算百題を二分以内、C:あまりあり割り算50題を三分以内、D:あまりあり割り算百題五分以内、という手順で進めます(p.124)。このAからDを毎日続け習熟したのちに、分数、少数、混合計算、方程式と順次指導します(p.130)。 

 基礎学力に習熟していくと、生徒が落ち着いてくるといいます。脳が活性化されて集中力が高まります。自分の可能性に気づき、みちがえるように成績を伸ばし、自信をつけるそうです(p.191~192)。

 「自分が伸びるということがうれしくなってきますし、友達から認められる」ので「集団に積極的にかかわろうとする」。「しらけた言葉を連発し、学級の雰囲気を暗くしていた子が、明るい方へ積極的に変わるようになってくる」そうです(p.196)。

 基礎学習が、情緒の安定や集中力の向上だけでなく、コミュニケーション能力の育成にもつながっているのです。           

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「学力低下を克服する本」(1)

 陰山英男・小河勝共著『学力低下を克服する本 小学生でできること 中学生でできること』(文春文庫)を読みました。

 1970年代末頃から、新入生が、「文が読めない、書けない、計算ができない」、「そればかりか、授業中、フッと立ち上がる、落ち着きがない、よくしゃべる、話がきけない」ようになったそうです(p.87)。

 「学校で過ごす大半の時間を、理解のできない授業をじっと座って聴いて過ごさなくてはいけないとしたら、その鬱屈した気持ちは自己否定からやがて他者に対する攻撃的な行動に転化して」いく(p.96)。

 彼らは「自分が悪い」と常に考えています。しかし、半年がたち、1年が経過すると、わからないという事実そのものが、彼らに「私は馬鹿なのだ」「ボクはアホや」と語り続けます(p.109)。

 無気力は、暗さや脱力感などの静的な形だけをとるのではありません。内面のうつろなゆがみを埋めようとし、妙にはしゃいだり、落ち着きがない、目立とうとする、時には、奇声を発する、乱暴になる、陰湿になる」のです(p.109~110)。

 このような現場の「荒れ」を、小河先生は、「読み・書き・計算」の基礎学力を鍛えることによって克服されました。この実践は、今日のあらゆる教育現場を考える上での出発点になる、と私は思います。

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コマツのすごさ

 2008年2月4日月曜日のカンブリア宮殿(テレビ東京系)を見ました。建設機械世界2位「コマツ」の会長、坂根正弘さんが出演されていました。

 赤字に苦しんでいたコマツを、社長就任後、見事にV字回復させた秘密に迫る内容でした。無駄を徹底的に省きながら、会社の生命線である技術開発に重点を置く経営で、日本を代表する企業に生まれ変わりました。

 他社が5年は追いつけない、優れた技術力を持つ「ダントツ商品」の素晴らしさには、本当に驚かされました。世界中の自社製品の現在地や稼動状況、エンジンその他の機械の調子などを、コンピュータで一括して把握しています。世界規模、国別、都市、街レベルにおける情報をパソコンの地図上で瞬時にみることができます。メインテナンスにも素早く対応でき、需給関係情報に基づいて製品の製造ペースも調整できます。

 IT技術の使い方が実にうまい。坂根さんの指導力と現場の技術開発スタッフのレベルの高さに、驚きました。

 さらに、自社製品の稼動状況から、各国経済の現状と今後の動向を予測されていました。まさに世界を牽引するリーディング・カンパニーだと思います。

 番組の最後に坂根さんが言われた、2020年までの中国経済の基本トレンド予測も、非常に参考になりました。

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「受験勉強は役に立つ」(6)

 和田先生は、受験科目に数学を選んだ人は、選ばなかった人に比べて収入がかなり高いことに注目しています(p.74)。

 これは、京大の西村教授の調査結果に基づいています。3私大経済学部卒業生の卒業後の平均所得を調査したところ、数学選択者のほうが非選択者より50万円高かったそうです。さらに、共通一次試験導入後は、107万円多かったというのです(p.74~75)。

 この理由は「数学で培った推論能力を仕事に生かしているからだと考えられる」(p.74)と和田先生はいいます。

 和田先生の専門分野である認知心理学では、「思考」とは「知識を用いて推論すること」だとされます(p.68)。問題解決のため知識を加工したり組み合わせたりして考える過程が推論です。受験は、まさにこの推論能力が問われているのです。最も推論能力が問われる教科が数学なのです。

 数学は社会に出たら使えない、などと考えてはダメなのでしょう。数学で推論能力を鍛えていると考えれば、すべての受験生にとって、生きていくうえで極めて有効な教科であるといえます。

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「受験勉強は役に立つ」(5)

 和田先生は、「新学歴社会」の到来を予見しています。今までの「学歴社会」とは、「学歴が高ければ自動的に昇進していく」(p.177)社会でした。これからの新しい「学歴社会」は、自己分析や情報処理体験など、「受験で身につけたノウハウが社会に出てから役に立つ」のです。「受験で要領やコツを身につけた人は、要領よく生きていける」(p.117)のです。

 「大学生の学力低下が顕著になれば、企業側はますます一流大学の学生を優先的に採用するようになる」。「いわゆる二流大学の学生が、かつてとは比べ物にならないほど勉強にまつわる努力の経験が少ない」ので、「今後は受験勉強でノウハウ学力を身につけた学歴エリートの価値が上がっていくだろう」(p.181)とみています。 

 実際、「外資で有能視される人や、起業の成功者に、こちらが想像する以上に、日本の一流とされる大学の出身者が多い」(p.7)のです。

 ただ、「同じ一流大学でも、付属校から上がってきたり推薦入試で受かったりするのではなく、受験で受かることに意味がある」(p.177)と強調されています。「学歴が高いというだけではダメで、受験に裏打ちされた学力が求められる」のです。

 また、たとえ東大に入学できても、東大でロクに勉強もしない学生ではダメで、「要は、受験でせっかく培った学力をいかせるか」(p.43)が大切だと指摘されています。

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「受験勉強は役に立つ」(4)

 和田先生は、「受験学力が否定的な見方をされるのは、大学側にも問題がある」と指摘します(p.23)。

 受験を通じて得られる知識や解法が大学入学後に役立たないというのであれば、大学側、「問題を作る側が時代に、ニーズに合った問題を出題」すべきだといいます。「子どもたちは受験に必要なことを勉強してくるのだから、大学が時代のニーズに合わせた良質な入試問題を出すべきなのだ」(p.23)、そうすれば、高校生の受験勉強の内容そのものが、そのまま「使える学力」なるのです(p.26)。

 私立大学の経済学部の入学者が「数学ができない」と嘆くのであれば、受験に数学を課したらいい、新聞を読まないと嘆くのであれば、「新聞を継続して読まなければ解けないような問題を入試に出せばいい」(p.25)、文章が書けない若者が増えているのなら、論述問題を課せばいいし、敬語が使えないことが問題だとすれば、入試で敬語の使い方を問えばいいのです。

 私立大学の経済学部は募集定員の一部(センター利用型など)で数学を課していますが、定員の大部分では数学を課していません。これは、数学を課せば受験生が減ることを大学側が懸念しているからといわれます。

 一方、英語については、1989年から東大の二次試験でリスニングが課され、東大受験生の英語力が向上したそうです。2006年からセンター試験でもリスニング問題が出題されて以降、「日本人全体のリスニング能力が格段と底上げされることは間違いない」(p.25)といいます。

 受験勉強や大学生の学力を問題視するのであれば、先に入試問題を問い直せと和田先生は指摘するのです。

 大学入試問題の形式が昔とあまり変わらないということは、逆に、受験を乗り越えて得られる学力を身につけて入学して欲しい、と大学側も認めているのではないかと私は思います。

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「受験勉強は役に立つ」(3)

 一般入試を受験することによって本番に強くなる、と和田先生は指摘します。様々な困難を乗り越えて合格すれば、「精神面でのタフさ」が身に付き、「ストレス耐性が高い」人になります。成果主義が強まる世の中では、「本番に強い人間でないと勝ち残れない」といいます(p.38)。

 しかし、近年、「多くの子どもが、いわゆる『受験』を経験しなくても大学に入れるようにな」り、「必死に受験勉強して大学に進学する子どもが激減してい」(p.20~21)るのです。その要因は、「推薦入試」と「Fランク校」の増加にあります。

 私立大学を中心として、大学の入学定員の4割程度が推薦入試になっているといいます。受験生は、高校で一定の成績さえ修めておけば大学に進学できる制度です。

 大学側も、少子化で受験人口が減少するなかで、いち早く受験生を確保できます。最近は私立大学が付属高校を増やす動きもあり、今後も推薦入学者が増加すると考えられます(p.19~20)。

 推薦入学の増加によって、「本来なら受験勉強で忙しいはずの時期にヒマな高3生が増えているという驚くべき事態になっている」(p.20)と和田先生は懸念しています。

 「Fランク校」とは、定員割れしているので受験すれば合格する大学のことを指します。実際、大学を選り好みしなければ、確実に入学できます。

 受験を経験しない大学生が増加しているのです。私立大学の小中高大一貫教育によるエスカレーター進学の増加も、この傾向に拍車をかけるでしょう。

 日本が熾烈な国際競争に立ち向かっていかなければならない現在、和田先生が指摘するように、受験を戦い抜いた、たくましい人材が求められているのかもしれません。

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